彼が最期に見た景色 〜地へ堕ちた彼は今、何を想うか〜

アクリル絵具で描いたものです。キャンバスから心を込めて組み立てました。プロからの評価はB-でした。あくまでもプロの評価ですし、決して低くないです。むしろ、世間的に見れば高い部類でしょう。また、「形が捉えられていない」とのご指摘も頂いておりますが、「絵画として魅力的」、「筆の使い方のパターンが多い」と絶賛のお言葉も沢山頂いております。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー　彼は兼ねてからの幼馴染だった。小・中学校を共にしたが、高校で私と彼は互いの道を歩むことに。徐々に連絡を取る回数も減っていった。大学を卒業した私は地方で有名な企業で忙しく働いていた。そんなある日、彼から1通のが来た。何年ぶりだろうか。　久しぶりの彼との会話は何故か緊張してしまい、互いに上手に話せなかった。ただ、「俺はお前と会えて嬉しかったよ」という彼の言葉に少々の違和感を覚えた。あれは何だったのだろう。しかし、時間が過ぎると共にその違和感も何処かへと行ってしまった。　それから1年ほど経った頃だろうか。彼が死んだと風の噂で聞いた。何故か、私の目から涙が一滴も落ちない。気持ち悪いくらいに冷静でいられた。彼が死んだと言うのに。　彼は地へ堕ちたのだろう。今頃、どんな苦しみを味わっているだろうか。彼が生前、人々に与えた苦を彼は身をもって償えているのだろうか。　彼の母親によると、彼は自殺を図ったらしい。石膏像のある彼の部屋で。常人が見れば気味が悪く感じるようなレイアウトで机に並べられた石膏像、グリーンの布、レンガ、3本の瓶、複数のキャンバス。彼は最期の最期まで気味が悪かった。気持ちが悪かった。気色が悪かった。　何だろうか、私の心の底から込み上げてくる彼への苛立ちは。そうだ、絵に表現しよう。この苛立ちを絵にしよう。彼の罪は忘れてはならない、世間に認知されなければ！！ある種の使命感に私は駆られて筆を手にしたのだった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー#マティス　#ダヴィンチ　#オートマティスム　#フェルメール　#印象派　#ゴヤ　#MoMA #ルーブル美術館　#初めてのルーブルは何てことはなかったわ　#私だけのモナリザ　#受胎告知　#雪舟　#葛飾北斎